アクシデントをチャンスに変える気持ちはありますか?

「人生には登り坂、下り坂、まさかの坂がある」という言葉があります。スポーツのケガも試合前やレギュラー争いの真っ最中など、一番起きてほしくないタイミングに限って起きます。痛みに苛立ち、動けない自分に不安を感じてしまう、ケガで動けないときって本当に気持ちが落ちてしまうんですよね。

 

整骨院で臨床に当たっていると「起きるべきして起こすケガ」というものに出会います。それは柔軟性、筋力、前後左右の重心のバランス、猫背、疲労など、練習や日常生活の中で積み重なるものに身体が我慢できず結果ケガに繋がってしまうもの。よく「ケガはクセになる」と言われるのは、ケガが治っても柔軟性や重心バランスなどの問題が改善しないまま競技復帰したために繰り返すのです。

 

ケガをしたときはどうしても気持ちが後ろ向きになってしまいますよね。でも、ケガをしたときだからこそ、自分の身体の状態に改めて目を向けることができる。そう、その気づきこそが「起きるべきして起こすケガ」を避けるための、そして、アクシデントをチャンスに変えるための第一歩になるのです! 

 

いのうえ整骨院ではスポーツ障害や外傷の痛みを取るだけでなく、競技復帰後の再発防止やパフォーマンスアップのためのアスレティックリハビリテーションの指導にも力を入れています。

院ではケガをした患部だけでなく全身のバランスを考慮して施術やリハビリ指導を行うことにより、より安心して競技復帰することができます。スポーツ障害・外傷でお悩みのときは、まず当院にご相談ください。

アスレティックリハビリテーションとは

通常のケガや障害の場合、「日常生活が問題なく過ごせる社会復帰レベルの治癒」を目標に施術計画を立てていきます。歩いて買い物がしたい、朝の起き上がりをスムーズに行いたい、そんな生活の中で不便と感じる行動が楽にできるように施術やトレーニングでアプローチをしていくのですが(メディカルリハビリテーション)、スポーツ選手の場合は競技で結果を出すためにもう少し先の、完全に競技に全力で打ち込める状態を目指してのアプローチが必要になります。

 

このアプローチのことを、社会復帰を目標にする「メディカルリハビリテーション」に対して「アスレティックリハビリテーション」といいます。

段階別のアスレティックリハビリテーション・プログラム

アスレティックリハビリテーションは症状の経過や治癒具合を考慮して、プログラムを組み立てる必要があります。

第1段階(保護期)

受傷直後は患部の腫脹、関節の可動域の減少、筋の萎縮などの症状が現れます。まず大事なのが安静やアイシング、固定などのRICE処置。整骨院や医療機関で傷病からの回復を目指すのもこの時期になります。患部に負荷のかかるトレーニングは極力避けて、逆に患部以外の全身トレーニングは積極的に行うことにより、傷病回復後の競技復帰を助けることができます。

第2段階(訓練前期)

患部の腫脹や疼痛が軽減されて少しずつ練習に参加するようになっても、患部周辺の筋力低下や、関節可動域の減少はまだ残っています。以前と同じような負荷の練習にいきなり参加してケガが再発しないように、まずは徐々に負荷をあげるリハビリメニューで、可動域の改善、筋力増強や持久力強化を目指しましょう。

第3段階(訓練後期)

十分なウォーミングアップのあと、本格的な筋力トレーニングを行っていく時期になります。患部周辺の筋肉を中心に全体的に、またトレーニング後のアイシングやストレッチは念入りに行ってください。負荷を急にあげるのではなく、徐々に、以前よりはまだ軽めの負荷で行っていきましょう。

第4段階(復帰期)

スポーツ復帰までの最終段階です。スポーツの種目にあった動き、特に瞬発系やスピードを伴った練習を行っていきます。ダッシュ、ストップ、ジャンプ、ターンなどを行いながら、実際に動きにかかる負荷に患部が耐えられるか、以前の動きを取り戻せるかに着目しながらトレーニングしていきます。痛みが再発しないようにサポーターやテーピングで固定を行い、まだけっして無理はしないようにしましょう。

臨床の場で出会うスポーツ選手の多くは、練習を休むことに罪悪感や焦りを感じてしまって急いで練習に参加しようとしたり、ついトレーニングをやりすぎたりしてしまっていました。焦らず、一歩ずつリハビリの段階を踏むことが早期の競技復帰につながります。スポーツのケガでお悩みの方はお気軽に当院までご相談ください。

 

 

(参考文献:文光堂 アスレティックリハビリテーションガイド)