野球やバレー、テニスなど腕を上から下に振り下ろす動作が多いスポーツに多いケガが
「上腕二頭筋腱炎」
上腕骨の結節間溝という狭い溝を通る腱に急激にストレスがかかって起きる症状で、腕を挙げるときや肘を曲げる動作の繰り返しなどで症状がでます。
痛みは肩前部に。夜間痛があることも
上腕二頭筋腱炎は、腕を外から挙げるときや外に捻じるときの運動痛と、肩関節前面(結節間溝部)に圧痛がでることが特徴です。肩を回すときは全ての方向に痛みを感じます。
また、肩関節周囲炎と同じ夜間痛も特徴の一つになるので鑑別が必要になります。
ヤーガソンテスト:術者は患者の肘を90度に曲げてもらい、手を内側に捻らせる。患者は術者に対抗して外側に捻り返す。このとき肩関節の前面に痛みが生じた場合、上腕二頭筋腱炎を疑う。
スピードテスト:患者様は手のひらを上にして肘を伸ばして、そのまま上にあげていく。術者は患者の手を下向きに抵抗をかける。このとき肩関節の全面に痛みが生じた場合、上腕二頭筋腱炎を疑う。
症状が出た場合は、安静とアイシングが基本
無理をしない、動かさない。急性期はストレッチや筋肉を無理に使ったりして、結節間溝部に負荷がかからないようにしてください。
急性期は安静とアイシングで患部の炎症を抑え、上腕二頭筋の緊張を緩和。
激しい痛みが治まってきたら、胸部・背部の筋力のバランスや肩周辺のインナーマッスルの強化をすることで再発を防ぎましょう。
臨床上は特に姿勢が悪い方にも症状が出やすいです。姿勢バランスのチェック、スポーツ時のフォームのチェックも再発予防に役立ちます。